【ASDグレーゾーン】30代で気づいた発達障害の特性と診断までの道のり

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ズーボ

ねぇ、こーへーさんって発達障害の診断を受けたのっていつなの?

こーへーさん

30代前半だったかな。でも実は、診断を受けるまでにすごく長い道のりがあったんだ。

ズーボ

そうなんだ。きっかけは何だったの?

こーへーさん

職場の同僚から言われた一言だった…。今思えば、あの時が人生の転機だったんだよね。

はじめに:30代で発達障害に気づく人は意外と多い

発達障害の診断を受ける大人が増えています。特に30代になってから「もしかして自分も?」と気づく人は少なくありません。

私もその一人でした。30代前半でASDグレーゾーンの診断を受けるまで、長い間「なんで自分は他の人と違うんだろう」と悩み続けていました。

この記事では、同じように悩んでいる方へ向けて、私の体験談を包み隠さずお話しします。

1. 衝撃的だった同僚からの一言

業務スーパーでの出来事

30代になる少し前、業務スーパーで働いていた時のことです。3年ほど一緒に働いていた同僚がいました。

ある日、その同僚から突然こう言われました。

「お前、アスペルガーじゃないのか?」

ズーボ

えっ、いきなりそんなこと言われたの?

こーへーさん

本当にびっくりした。でも、その同僚は3年間私の仕事ぶりやコミュニケーションを見ていて、きっと違和感を感じていたんだと思う。

この一言は、本当にショックでした。でも同時に、心の奥底で「もしかして…」という気持ちもありました。

調べてみると当てはまることばかり

家に帰ってからアスペルガー症候群について調べてみると、自分に当てはまることが多々ありました。

  • 一つのことに集中すると他が見えなくなる
  • コミュニケーションがうまくいかない
  • 聞いているのに聞き逃してしまう
  • ミスが多い

「もしかして、これが原因だったのかも…」

そう思うようになりました。

2. 社会人になってから増えた困りごと

学生時代は気にならなかった

学生の頃は、確かに少し個性的で変わっていたなと思うことはありました。でも、生活や学業に大きな支障はなかったので、あまり気にしていませんでした。

社会人になって直面した現実

しかし、社会人になってから状況が一変しました。

具体的な困りごと:

  • 周りができていることができない
  • 一生懸命聞いているのに仕事の指示を聞き逃す
  • 仕事でのミスが多くなる
  • コミュニケーションがうまくいかない
ズーボ

仕事って学生時代と全然違うもんね…

こーへーさん

そうなんだ。特に「マルチタスク」が本当に苦手だった。一つのことに集中すると、他のことが全く見えなくなってしまうんだよね。

一番辛かった時期

無印良品で働いていた時期は、特に辛い時期でした。自分の特性のせいで仕事がうまくいかず、徐々に体調を崩してしまい、最終的には退職することになりました。

その頃は本当に追い詰められていて、仕事帰りに駅のホームで「このまま電車が来て飛び込んだら楽になるのかな」とふと思ってしまったこともありました。

ズーボ

それは…本当に辛かったんだね。

こーへーさん

今思えば、あの時は自分の特性を理解していなかったから、すべて自分のせいだと思い込んでいたんだ。

3. 診断を受けるまでの道のり

20代後半の葛藤

20代後半の頃は、自分が障害者だということを信じられませんでした。

「まさか自分が…」

そんな気持ちが強くて、なかなか受診に踏み切れませんでした。

30代で決意

しかし、無印良品での体験を経て、「さすがに自分は何かおかしい」と強く感じるようになりました。

「発達障害について、そして自分についてちゃんと知らないといけない」

そう思うようになり、30代前半でついに発達障害を診てくれる病院を受診することにしました。

病院探しから受診まで

それまで心療内科に通っていましたが、そこでは発達障害を診てくれませんでした。

病院探しの方法:

  • ネットで「発達障害 診断 病院」と検索
  • 発達障害を専門的に診てくれる精神科を探す
  • 初診予約(結構待ちが長かった)
ズーボ

病院探しって大変だった?

こーへーさん

発達障害を診てくれる病院って限られているから、見つけるのに苦労したよ。でも、ネットで調べれば情報は出てくるから、諦めずに探すことが大事だね。

4. 診断の過程と結果

WAIS(ウェイス)検査を受ける

病院では知能検査(WAIS)を受けました。詳しい内容はあまり覚えていませんが、言語を知覚する分野が弱いという結果が出ました。

初診から診断まで、約半年くらいかかりました。

「ASDグレーゾーン」の診断

主治医の先生から告げられたのは:

「ASDのグレーゾーンの傾向があります」

はっきりとASDと診断が下りたわけではありませんが、この言葉を聞いた時の気持ちは複雑でした。

その時の気持ち:

  • 今まで苦労してきたのは、この特性があったからなんだ(納得)
  • 少しホッとした
  • 自分が障害者であることを受け入れるのに時間がかかった
ズーボ

グレーゾーンって診断もあるんだね。

こーへーさん

そうなんだ。白黒はっきりしないけど、特性があるのは確かだよって感じかな。でも、これで自分のことが理解できるようになったんだ。

5. 診断後の変化と成長

就労移行支援での学び

診断後は、自分の特性についてもっと詳しく知りたいと思い、就労移行支援に通いました。

学んだプログラム:

  • Webデザインスキル(今の仕事に直結)
  • SST(ソーシャルスキルトレーニング)
  • 自己理解を深めるプログラム
  • 就活に役立つプログラム

特に就活プログラムは、そのまま就職活動に活かすことができて、とても役に立ちました。

体調管理の工夫

SSTで学んだ中で、今でも続けているのがK-stepシートの記録です。

K-stepシートの内容:

  • 就寝時間
  • その日の気分
  • その日やったこと
  • 体調の変化

これで自分の体調を客観視できるようになりました。疲れが溜まってきたら、湯船につかる時間を増やすなど、早めに対策を取れるようになりました。

6. 現在の働き方と障害者枠での就職

障害者枠で働く理由

現在は、健常者枠ではなく障害者枠で働いています。

理由は簡単で、自分の特性があることを職場の人や上司に知っておいてもらうことが、安心につながるからです。

面接での特性説明

障害者枠での面接では、履歴書の障害欄にこのように書いて説明していました:


私は発達障害(ASD)のグレーゾーンに位置しており、適応障がいと聴覚情報処理障がい(APD)もあります。光や音に敏感であり、疲れを感じやすい傾向があります。さらに、人の話を聞き逃してしまうことがあり、電話の音や人の声を聞き取ることが困難なので、電話対応は難しいかもしれません。

仕事をする環境としては、静かな場所でパーテーション等があれば安心します。また、出来れば複雑な指示は口頭だと聞き逃してしまうことがあるため、チャットなどでビジュアル化、文章化して頂くと助かります。

集中力の維持に関しては、集中しすぎて疲れてしまう傾向があるため、ポモドーロテクニックなどを活用して適度な休憩を取り入れています。

私が困った時や悩んだ時に相談できる環境があると安心します。信頼できる同僚や上司がいて、障がいに関する問題や課題に対してオープンに話せる環境があれば、仕事に集中出来ます。


 

ズーボ

自分の特性をここまで詳しく説明するんだね。

こーへーさん

最初は恥ずかしかったけど、正直に伝えることで、お互い安心して働けるようになるんだ。隠して働くより、ずっと楽になったよ。

7. 家族や恋人との関係

家族の理解とサポート

家族は障害に対して理解があります。障害者枠で働くことも応援してくれています。

恋人(彼女)との関係

現在同棲している彼女には、包み隠さず診断結果を伝えています。理解してもらっていますが、私の特性のせいで彼女に心配や迷惑をかけてしまうこともあります。

それでも、オープンに話せる関係があることで、お互いに安心して過ごせています。

8. 診断を迷っている方へのメッセージ

受診を強く勧めるわけではない

正直に言うと、受診を迷っている人に必ずしも受診を勧めるつもりはありません。

ただし、自分のことを深く知りたい人にはお勧めします。

診断を受けてよかったこと

  • 自分の特性を理解できた
  • 適切な対策を立てられるようになった
  • 自分を責めることが減った
  • 周りに理解してもらいやすくなった
ズーボ

診断を受けることで、自分との付き合い方が変わったんだね。

こーへーさん

そうなんだ。自分を知ることで、無理をしない働き方や生き方を選べるようになったよ。

過去の自分へのメッセージ

もし業務スーパーで働いていた頃の自分に声をかけられるとしたら、こう言いたいです:

「よくここまで頑張ってきたね。辛いこともあったと思うけど、あまり無理はせず、自分の好きなことややりたいことを存分にやるといいよ。きっとあなたの才能や能力を発揮できる環境はあるから。」

9. 現在の生活と今後の展望

自分らしく働けるようになった

今は自分の特性を理解し、周りの環境を少しずつ変えていった結果、落ち着いて仕事ができるようになりました。

現在の工夫:

  • 静かなコワーキングスペースで作業
  • チャットベースでのコミュニケーション
  • 自分の得意分野(Webデザイン)を活かす
  • 無理のない範囲で案件を受ける

合う環境は必ず見つかる

発達障害で仕事や生活、対人関係に苦労している人もいるかもしれません。

でも、きっとその人にとってまだ合う環境が見つけられていないだけなのだと思います。

大切なのは:

  • 色んな職場や色んな人と出会うこと
  • 相談を重ねること
  • 自分自身と深く向き合う時間を持つこと

そうすることで、きっと自分のあるべき姿、本当に好きなこと、自分に向いている環境が見つかると思います。

まとめ:自分を知ることから始まる新しい人生

ズーボ

こーへーさんの話を聞いてると、診断を受けることで人生が変わったんだなって感じるよ。

こーへーさん

本当にそうなんだ。30代で気づいても遅くないし、むしろ自分を理解してからの方が、楽に生きられるようになったよ。

ズーボ

同じように悩んでいる人にとって、すごく参考になる話だと思う!

こーへーさん

もしこの記事が、誰かの人生のヒントになれたら嬉しいな。一人で悩まず、周りに相談することも大切だよ。

30代での発達障害診断は、決して遅すぎることはありません。

むしろ、大人になってから自分の特性を理解することで、より自分らしい生き方を選択できるようになります。

もし今、同じような悩みを抱えている方がいるなら、この記事が少しでもヒントになれば幸いです。

 

更新履歴

第1稿投稿 2025年6月6日 13時00分(記事コンテンツアップ)

こーへーさん

Webデザイナー兼エンジニア

ASDグレーゾーン×ズボラ力で暮らしを攻略中。 金銭管理、感覚過敏、仕事の工夫まで実体験で発信。 “等身大”のヒント、見つけていきませんか?

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